こんにちは。TOIです。
過去、小学校で担任してました。
長いお休みが開けて迎える新学期(特に4月)は、何となく子供の様子がいつもと違って困っていませんか?
実は息子が元気がなくて…。
新しい学年、教室、クラスメイト、先生…。新しい環境で過ごすことは、子供にとっても実はすごくストレスが大きいことなのです。
新学期にストレスを抱え、不安定になりがちな子供に家でどう接して良いのかわからない…という親御さんもいると思います。
不安定になりがちな子供と家で過ごすコツやコミュニケーションをとるときのポイントをまとめました。
子供の抱える不安は2種類ある
まず忘れずに覚えておきたいのは、子供が抱える不安は大きく分けて2つあるということです。
・原因がはっきりしている不安
・原因がはっきりしない不安
前者は友達とケンカした、嫌がらせをされている、先生が厳しい、授業についていけない、習い事がうまくいかないなど子供が自分でストレス源がわかっています。
原因がわかっているなら、親としても話を聞く、一緒に対処法を考えるなどといった対応をとりやすいと思います。解決の困難度はそれぞれですが、目指す方向性はある程度見えていると思うのでここでは扱いません。
ここでは後者の「原因がはっきりしない不安」について掘り下げていきます。
新学期に原因がわからない不安を抱えて不安定になる子供の多くが「新しい環境に慣れるまでの適応期間」に苦しんでいます。
難しい言い回しになってしまいましたが、要は「常に緊張状態でいる」「学校でリラックスできない」「ありのままの自分を出せてない」「周りが気になって自分のことに集中できない」ことによる疲れがたまった状態だということです。
この時の子供の気持ちとしてはこんな風に思っています。
・仲良しの子と別のクラスになってしまった…どうしよう ・新しいクラスで友達ができるか心配だな。どうやって声をかけよう ・新しい先生はまだどんな人かわからない、怖いのかな… ・去年までとクラスのルールややり方が違うなあ、早く覚えなくちゃ。 ・笑われたら嫌だから頑張って失敗しないようにしなきゃ。頑張るぞ!
大人も就職、転職、部署移動、育休からの復帰など環境が大きく変化すると慣れるまでは気を張った状態が続き、ストレスがたまりますよね。
ストレスがたまるのは大人も子供も同じですが、大人は「環境の変化で疲れているんだな」「週末は予定をいれずにゆっくりしよう」など自分で原因を特定して対処ができますが、子供はなかなかそうはいきません。
新しい環境の負荷が自分にとってどれ程ストレスになっているのか自覚することが難しく、意識しないままストレスが行動や態度に現れます。
年齢が小さいほど「疲れ気味だからしばらくゆっくりしよう」などといったペース配分は難しいので、大人が様子を見て気にかけてあげてくださいね。
また環境が変わって不安を抱えやすい子もいればそうでもない子がいるというのは、生まれ持った性質による違いが大きいです。
環境に慣れるのに時間がかかるからといって育て方や親のせいということはありません。
早く慣れさせようと努力するよりも、その子のペースで進んでいけるようにサポートするほうが望ましいです。
ストレスがどうでるかは子供によって違う
ストレスがどのような形で現れるかは子供によって違います。
例をいくつか挙げますが、この他にも「明らかに環境が変わってからいつもと違う様子が増えた」と感じたら、注意深くお子さんの様子を見るようにしましょう。
・いつもより口数が少ない ・朝の支度をだらだらする ・イライラして口答えが増えた ・些細なことで癇癪を起こす ・きょうだいや家族にきつく当たる ・何に対してもやる気が持てない様子 ・親にベッタリで離れようとしない ・お腹がいたい、頭がいたいということが増えた。 ・アトピーやアレルギーの悪化 ・寝付きが悪くなかなか寝られない ・反対に寝る時間が増えた ・食欲が落ちている ・反対に異常に食べる
元気がない、またイライラしている様子などは親から見ても分かりやすい症状ですが、中にはストレス症状がアトピーの悪化や腹痛、発熱など身体症状となって現れる子供もいるそうです。
身体症状の判断は素人には難しいですし、免疫力が落ちて病気にかかっている可能性もあります。
心配であれば自己判断せず受診も検討してください。
家を子供の「安全基地」にしよう
どの子供も、学校ではとても頑張っています。
多くの子供は、家と学校では無意識的に別の顔を見せています。
担任をしていた経験や、自分で子供を育てていく中でよりそう思うようになりました。
別の顔というとマイナスイメージを持つ方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
裏表、という意味ではなく学校では誰でも多少「よそゆきの顔」で過ごしていると考えてください。
集団で生活するということは良くも悪くも回りのペースに合わせて行動することです。100%自分のしたいようには過ごせません。
普通に学校生活を送っているだけでもお子さんはやりたいことを我慢し、難しいことや苦手なことにも取り組み、周囲のペースや気持ちを考えて集団の一員として頑張っています。
新学期にあればなおさらですよね。
学校で頑張っている分、家は子供にとってできるだけのびのびと自分らしく過ごせる「安全基地」であってほしいと思います。
早く元気になってほしいあまり、原因を突き止めようと学校のことを必要以上に根掘り葉掘り聞いたり、学校が楽しくないならと習い事やお出掛けの予定を詰め込む、だらだら休んでいる子供をしかって勉強させるなどは逆効果です。
家で十分充電して、元気になってこそまた外の世界で頑張れます。
お手伝いや学習などいつも通り頑張れないこともあるかもしれません。
しかし目には見えなくても体も心も休養が必要な時期と割りきって広い心で見守るようにしましょう。
子供を安心させるちょっとしたポイント5つ
お子さんが「環境の変化で疲れがたまっているな?」と思った時、家で簡単にできる接し方のポイントを紹介します。
目を見て話す時間を増やす
普段、お子さんとどれくらい目を合わせて会話していますか?
小学生が帰宅してから寝るまで、長くても6時間程度しかありません。その中でも夕飯、宿題、習い事としなければいけないことは多く、ゆっくり顔を合わせて話す時間はなかなかとれないかもしれません。
例えば、お風呂の中や食事中、寝る前の5分だけでも意識的に目を見て話す時間をつくってみてください。
短い時間でもできれば1対1でコミュニケーションをとる時間を捻出してみましょう。
親が100%自分に関心を寄せている状態は、子供の気持ちを満たしてくれます。
ひたすら「聞き役」に徹する
子供が学校に馴染めていないと「学校楽しい?」「お友だちできた?」などと質問攻めにしがちです。
しかし、鬼気迫った表情でそんなことを聞かれても子供は不安な気持ちを打ち明けるどころかプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
学校のことをたくさん話してくれるお子さんも、そうでないお子さんもいるでしょうが子供が疲れている時はあえて「聞き役」に徹しましょう。
子供は(大人も?)意外と聞いてもらうだけで落ち着いたり、自分の言葉で話すことで自分の考えや気持ちを整理しています。
また「うんうん」と否定も肯定もせずに聞いてもらう時間はとても貴重で、フラットに感じたことを話すというのはカウンセリング効果もあります。
気を付けていただきたいのは、求められていないのにアドバイスをしたり自分の意見を押し付けること。
言いたいことがあっても、「聞き役」でいることを大切にしてくださいね。
そばにいるだけでも効果あり
子供がもっともっと小さい頃、忙しい時にかぎってグズってしまった思い出はありませんか?
我が子も夕方になると決まってぐずぐず泣き出すので、毎日の夕飯作りはおんぶであやしながらでした。
小学生はさすがに毎日おんぶする訳にはいきませんが、そばにいるだけで安心感を与えることはできます。
親が料理をするキッチンに椅子を持ってきて、好きな本を読ませるでもいいですし、隣に座って全然別のことをしていてもいいのです。
不安が大きいときには「ただそばにいる」時間を増やすだけでも子供の気持ちが落ち着くこともあります。
一緒にテレビを見るだけ、買い物に行くだけ、眠りにつくまで横で見ているだけ、そんなことでも十分だと思いますよ。
担任をしていた頃は不安定な児童に対して休み時間はお手伝いをお願いしたり、授業の中でも意識的に声をかけるようにしていました。
「気にかけているよ」と言葉にしなくても、子供は感受性が強いのできっとメッセージを受けとっています。
挨拶は笑顔で
子供が落ち着かない、元気がない。そんなときこそ大人から笑顔で挨拶してみましょう。
「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」
何気ない挨拶でも、笑顔で続けていれば暖かい気持ちが伝わります。
また、挨拶はだいたい「行ってらっしゃい」「行ってきます」のように呼び掛けと返事がセットになっているので、毎日気にかけて挨拶していれば子供の返事から様子の変化を感じとりやすいというメリットもあります。
挨拶は心のバローメーターです。
自分の心がそのまま表情や声となって表れます。
親子の挨拶、心の健康観察だと思って続けてみてくださいね。
子供の気持ちに振り回されない
少々難しいかもしれませんが、子供の不安に親が振り回されない覚悟を持ってください。
子供は親が思っている以上に、親の気持ちを感じ取っています。
不安定な子供に振り回されて親まで不安定になってしまうと、家の中の雰囲気が辛いものになってしまいますよね。
元気がなかったり、無気力だったり、些細なことでイライラしたり、普段と違うお子さんの様子に心を痛めることもあるでしょう。
しかし、子供がストレスを抱えている時こそ「今だけの辛抱」と親がどーんと構えることが必要です。
どんな状態でも子供の本質が変わってしまった訳ではありません。外の世界で頑張るために家という安全基地で休憩しているだけです。
子供がイライラをぶつけてきても「安心して素直な気持ちをぶつけてきているだけ。私なら受け止めてくれると思っているんだ。」と広い心で受け止めましょう。
ま、親もストレスたまりますよね。
ごほうびに美味しいものでも食べて
乗りきりましょう!
ダッツ大人買いしちゃお!
まとめ
子供は、社会に出ていくまでにたくさん甘えて自立していきます。
親が直接子供の不安を解決できるかどうかはわかりませんが、少し意識するだけで、甘えさせて安心感を与えることはできます。
・目を見て話す
・聞き役に徹する
・そばにいる
・笑顔で挨拶する
・子供の気持ちに振り回されない
新学期に不安定になるお子さんは意外と多いもの。無理せず、気負わずおうちでもできることから試してみてくださいね。
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